太、粘り強さで頂点に 大舞台で大輪の花咲かす 全日本ボウリング県勢男女V


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勝負強さを発揮した太琳華=21日、埼玉県の新狭山グランドボウル(全日本ボウリング協会提供)

 ボウリングのNHK杯第56回全日本選抜選手権大会が19~21日、埼玉県の新狭山グランドボウルで開催された。男子は座波政斗(首里東高3年)、女子は太(ふとり)琳華(ギノワンボウル)が頂点に輝き、県勢が男女同時優勝を達成した。太はハイシリーズも獲得した。大会は予選9ゲームを行い、男子28人、女子20人が準々決勝へ進んだ。準々決勝は6ゲームを行い、予選と合わせた15ゲームの総得点で上位12人が準決勝へ駒を進めた。準決勝は6ゲームを行い、予選、準々決勝を合わせた21ゲームの総得点で上位4人が決勝へ進んだ。決勝は4選手が1ゲームマッチを行い、上位2人が優勝決定戦に進出し、勝負を決した。

 22歳の太琳華は「予選の1投目でガーターをしてしまい、恥ずかしかった」と苦笑いするが、その後は尻上がりに調子を上げた。3ゲームを終えて723点をマークし、ハイゲームを獲得した。

 高校時代は中部商の選手として何度も沖縄一を経験し、卒業後の2019年に鹿児島へ渡った。鹿児島県体育協会と契約を交わして所属し、2020年に開催予定だった鹿児島国体に出場するためだった。しかし、コロナ禍で大会は中止。1年半ほどで沖縄へ戻った。「ここ2年ぐらいは、てだこボウルやレーントゥセントラルのリーグ戦に参加している。練習は特にしないが実践で腕を磨いている」と純粋に競技を楽しんできた。

 「大きな大会には出ていないので調子が良くなったり悪くなったりの繰り返し」と笑うが、粘り強さが勝負を支えた。決勝10フレームは相手が先に2連続ストライクを奪った。ピンを残してしまえば敗退が決まるという場面で、負けじとストライクを奪う。「残り7ピン倒せば勝ちということが分かっていた」と力を抜いて投げ、最後もストライクで締めて栄冠をつかんだ。149センチと小柄だが、力強さが持ち味。高校卒業後は「回転数が増え、ピンをはじく威力が増した」と地道な積み重ねを経て、大舞台で大輪の花を咲かせた。
 (大城三太)