「中国にとっての台湾は、日本にとっての沖縄」 自民党調査会と中国軍系シンクタンクが意見交換 中国側が示した台湾、尖閣の認識は


この記事を書いた人 琉球新報社
台湾や尖閣諸島を巡って意見を交わす自民党安全保障調査会幹部会(左列)と中国国際戦略学会メンバー(右列)=23日、国会内

 【東京】自民党安全保障調査会(小野寺五典会長)の幹部会は23日、国会内で中国人民解放軍系のシンクタンク「中国国際戦略学会」の孫建国名誉会長(元中国人民解放軍副総参謀長)らと会談し、台湾との関係や尖閣諸島について意見を交わした。会談は冒頭のみ報道陣に公開された。事後取材に応じた出席者によると、孫氏は中国にとっての台湾を日本にとっての沖縄に例え、譲れない点だと強調した。台湾問題に関しては「むしろ米側があおっている」などと語ったという。

 出席した県出身の国場幸之助衆院議員(自民党国防部会長)は、中国が2022年8月の演習で波照間島や与那国島周辺の排他的経済水域(EEZ)に弾道ミサイルを落下させたことに言及し「台湾海峡の平和と安定は沖縄にとっても死活的に重要だ。自制してほしい」と求めた。ミサイル演習に関する懸念について、中国側は「中国と台湾の問題だ」と述べた。

自民党安全保障調査会幹部会と意見を交わす孫建国氏(左から3人目)=23日、国会内

 自民党側は台湾の武力統一の可能性についても言及し「国際社会の大変な懸念だ」と伝えたという。中国側は「軍人が一番、平和を好む。現状の維持が何よりも大事だ」と語った。

 尖閣諸島について中国側は「もともと現状維持を望んでいる中で、先に日本が国有化に踏み込んだ。そのために中国は船を出さざるを得なくなった」と述べ、自民党側は「日本の領土だ」と話した。一方、不測の事態を避ける重要性では一致した。

 会談は孫氏から小野寺氏に面談の要望があり、双方数人が出席し、意見を交わすこととなった。
 (明真南斗)