金秀グループ(呉屋守将会長、14社1事業協同組合)は24日、2023年3月期連結決算を発表した。売上高は前期比3.8%増の978億100万円、経常利益は同6.3%増の20億4500万円で3期ぶりの増収増益となった。新型コロナウイルスのほか、資源高などの影響を受けたが、観光需要の回復などにより流通関連で持ち直した。純利益は同58.6%減の6億6600万円だった。
同グループは前期まで継続的に開催してきた記者会見について、業務の見直しに伴い「行わない」と発表。個別対応も控えるとした上で、メールによる質問に応対した。前期まで説明していた企業ごとの経常損益や詳細な業績分析などについて「差し控える」と回答しなかった。
流通系6社(金秀商事、金秀バイオ、金秀興産、金秀商事不動産、金秀フードサプライ、金秀ファーム)の売上高は同2.4%増の704億4400万円だった。金秀商事は回復する観光需要を取り込んだ。リゾート部門で客室稼働率が上がるなど前期実績を大幅に上回り全体を押し上げ、スーパーはサービスや商品力の強化が奏功し増収増益となった。バイオは国内だけでなく海外向けも好調だった。興産はコロナ禍の制限緩和で巣ごもり需要があったホームセンター部門の反動減が響いた。
建設系6社(金秀建設、金秀鋼材、金秀アルミ工業、金秀鉄工、沖縄ピーシー、金秀琉球ファシリティーズ)の売上高は同3.7%増の300億9700万円だった。コロナ禍で停滞した建設市場の投資先送り傾向が続いたほか、燃料価格や資材価格の高騰で建築単価と調達費用が上昇し増収減益となった。
その他(金秀ホールディングス、かねひで総合研究所、金秀事業協同組合)の売上高は同5.0%増の40億3千万円だった。
14社1事業協同組合各社単純合算の売上高は同2.9%増の1045億7100万円、経常利益は同6.5%増の21億9200万円。来期はコロナ禍からの回復で経済活動が活発化するとして単純合算で6.0%増の1108億円、経常利益は0.5%増の22億円を予想している。
(謝花史哲)