絶滅危惧種ノグチゲラ、生息域が南に広がる? ひなと親鳥、名護岳近くで確認 沖縄


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多野岳と名護岳の中間付近の森林で確認されたノグチゲラの幼鳥=14日午前(渡久地豊さん提供)

 【名護】国の特別天然記念物で、絶滅危惧種に指定されているノグチゲラの幼鳥と成鳥が14日、名護市の多野岳と名護岳の中間の森林で初めて確認された。環境省やんばる保護管事務所によると、同地区内で繁殖し、生息しているとみられ、現時点で生息が確認された南限となる。同事務所は「ノグチゲラの生息域拡大の証拠となる、重要な事例」だと分析している。

 ノグチゲラは2015年に名護市北部の源河地域で営巣や繁殖が初めて確認されたが、今回はそれよりもさらに約3キロ南の地点で見つかった。環境省のノグチゲラ生息状況調査の一環で調査をしていたところ、調査員が14日午前7時ごろ、巣立ったばかりのひなと、その親鳥とみられるオスの成鳥を目視で確認した。

 同事務所自然保護管の椎野風香さんは「マングースなどの外来種対策が進んだため、先駆的な個体が南の方へ生息を広げている状況ではないか」の見解を示した。

 ノグチゲラは主にやんばる3村(国頭、大宜味、東)に生息する中型のキツツキの一種で、「ごく近い将来に野生での絶滅の危険性が極めて高いもの」とされる環境省レッドリスト絶滅危惧IA類に分類されている。
 (池田哲平)