【嘉手納】嘉手納町のかでな未来館で開催中の新収蔵品展で、1960年に刊行された中部地域の商業店舗などが記された地図帳「中部主要都市商工案内」が展示されている。嘉手納ロータリーやコザ市、平良川、普天間など中部地域の主要通りの店舗が20ページにわたって記されている。復帰前の中部地域のにぎわいがうかがえる貴重な資料となっている。
地図は沖縄通信社によって刊行された。嘉手納町の北区コミュニティーセンター建て替えの際に倉庫から発見され、2020年に嘉手納町商工会に渡った。今年2月に商工会が町教育委員会に寄贈した。町商工会の宮城斉事務局長は「当時の店の並びが細かく記されている。嘉手納の隆盛が手に取るように分かり興味深い」と話す。
嘉手納ロータリーの地図には、現在はない映画館や銭湯、市場の姿もある。町史文化財係の當山知恵さんは「町は生活に合わせてどんどん変化する。当時の町の繁栄を知ることのできる貴重な資料だ」と説明する。
写真家のラブ・オーシュリさん=読谷村=が地図のデータ化に協力したことで、展示場では原寸大の地図を手に取って見ることができる。地図に思い出を書き込めるスペースも設けている。當山さんは「当時を知らない若い世代に、思い出を共有してほしい」と呼びかけた。
新収蔵品展は27日まで。午前9時~午後5時。かでな未来館1階。
(石井恵理菜)