陸自戦闘車「南西仕様」で空調を追加 「隊員のヒートストレスに着目」 与那国へも空輸訓練


この記事を書いた人 琉球新報社
与那国町内の公道を走行する16式機動戦闘車=2022年11月17日、与那国町与那国(小川昌宏撮影)

 【東京】浜田靖一防衛相は25日の参院外交防衛委員会で、陸上自衛隊が保有する16式機動戦闘車(MCV)について南西諸島での暑さに耐えるために空調装備を追加していることを明らかにした。高良鉄美氏(沖縄の風)への答弁。

 浜田氏によると、16式MCVが部隊に配備された2017年当初、C2輸送機で運びやすくするために重量が重くなる空調装置は搭載していなかった。浜田氏は「展開が予想される南西地域で隊員のヒートストレスに関わる問題に着目し、20年度からは空調装置を搭載したMCVを配備している」と説明した。

 防衛省が方針を変える2020年度より前に配備されたMCVについては空調装置が付いていないため、23年度から搭載していく予定という。

 16式MCVは多様な場面でさまざまな場所に素早く展開することを念頭に導入された。拠点からC2輸送機に載せて展開先に運ぶことが想定される。県内では那覇基地や与那国駐屯地へ空輸する訓練を実施している。与那国島では2022年11月の日米共同統合演習「キーン・ソード23」で民間の与那国空港を使って空港から駐屯地まで公道を通って展開した。

 一方、浜田氏は25日の委員会で「10式戦車についてはもともとコンピューターを冷却する装置が付いており、乗員向けの空調装置を追加する必要はない」と述べた。
 (明真南斗)