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サックスが奏でる日本の情緒―。琉球フィルハーモニックプレミアムクラシックコンサートVol.3「齊藤健太×琉球フィル」(琉球新報社共催)が20日、那覇市泉崎の琉球新報ホールであった。ゲストにアルトサクソフォン奏者の齊藤健太を迎え、琉球フィルハーモニックオーケストラと共演。齊藤は巧みなテクニックで迫力があり、和楽器を模した音色も響かせた。指揮は松元宏康、コンサートマスターは高橋和貴。
幕開けは、グラズノフの「アルト・サクソフォーンと弦楽オーケストラのための協奏曲 作品109」。齊藤が2019年の「第7回アドルフ・サックス国際コンクール」の最終選考で演奏し、日本人としては2人目となる1位に輝いた作品。全3楽章を通してサックスの音階の美しさや洗練された音色が弦楽器の華やかな音色と調和した。
演奏後のMCで、松元から齊藤へ「世界一を決めた時の心境」「どうやったら世界一になれるのか」といった質問が投げられた。齊藤は「どんなに大きな夢でもよいので夢を持つことと、夢について何を言われても諦めないことが大事だ。夢に向かって努力して得たものは(他のことでも)生きる」と語った。
日本の民謡のメロディーをサックス演奏用に取り入れた「日本民謡による狂詩曲」(石川亮太作曲)が続いて披露され、弦楽オーケストラとハープで共演した。
東北の津軽三味線や尺八など日本の楽器の音色をサックスが模して奏でるのも特徴の一つ。「津軽じょんがら節」など日本各地の民謡が織り込まれ、サックスの多彩な奏法で情緒あふれる演奏を聞かせ魅了した。
1部の最後に齊藤はバッハの「バイオリンパルティータ第2番『アルマンド』」でアンコールに応えた。
2部は古楽器のナチュラルホルンを用いてモーツァルト「交響曲第29番イ長調K.201(186a)」を演奏した。現在使用されているホルンとの違いなどの解説や実演も交えた。
アンコールは、坂本龍一作曲、新垣雄編曲の「Merry Christmas Mr.Lawrence」で締めくくった。
(田中芳)