港湾業者「何かあったら怖い」 石垣新港地区へのPAC3展開、中止を求める 市「情報収集努める」


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陸上自衛隊石垣駐屯地内に駐車されたPAC3の関連車両=4月27日、石垣市

 【石垣・宮古島】沖縄県石垣市での地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の展開先として、沖縄防衛局が29日、県に対し、市南ぬ浜町の新港地区に配備すると説明したことを受け、港湾への配備に反対していた市内の業者は「やめてほしいと伝えていた」と懸念を示した。

 石垣市内の港運業者3社は1日、PAC3の展開先として、新港地区が候補に挙がっていることを受け、港湾への配備をやめるよう市に申し入れていた。

 業者担当者の一人は29日、港湾付近は民間船が出入りし、ガソリンなどを貯蔵する施設もあることから「何かあった時を考えると怖い」と話し、今後、他の業者らと話し合い、市に再度申し入れをする考えを示した。

 一方、市はPAC3の新港地区への配備に関して詳細な連絡は受けていないとして、情報収集に努めるとした。その上で、30日にも対策本部を立ち上げ、対応を協議するとしている。

 宮古島市では29日、国民保護計画に基づく緊急事態連絡室が設置され、今後の対応を協議する。市の緊急事態連絡室の設置は、4月22日に防衛相が「破壊措置準備命令」を発出してから2回目。

 座喜味一幸市長は「ミサイルが発射された場合、Jアラート(全国瞬時警報システム)や県からの情報を防災無線などで知らせるので、屋内に避難してほしい」などと注意喚起した。

(照屋大哲、友寄開)