食品陳列棚が空に ノロノロ台風2号、石垣・宮古は品物不足も警戒 長期化に備え買いだめ


この記事を書いた人 琉球新報社
台風接近で、空になったパンの陳列棚=29日、石垣市真栄里のサンエー石垣シティ

 台風2号の接近に備え、沖縄県の宮古島市や石垣島地方では29日、市民らが早めの対策に追われた。スーパーでは買い物客がかごいっぱいに食料品などを購入した。レトルト食品、牛乳や卵、即席麺などが品薄となった。漁業者は漁船をロープで係留し、農家は農作物の収穫を急ぎ、農機具を片付けるなどした。

 石垣市真栄里のスーパーには午前中から多くの買い物客が訪れた。4、5日分の食材を買いに来たという女性(90)は缶詰など日持ちする食品でかご二つがいっぱいになった。「早めに準備して早めに買わないとね」と話し、カートを押してレジに向かった。

 2歳の長男をカートに乗せ、7カ月の次男をだっこひもで抱えていた女性(32)は「大人はカップ麺でもいいが、子どもには肉や野菜も食べさせたい。だけど一気に品薄になる。食料品だけでなく、おむつもなくなるので不安だ」と心配そうに話した。

複数のロープで係留された漁船=29日午前11時半ごろ、宮古島市伊良部の佐良浜漁港

 宮古島市では農家や漁師から台風の長期化を懸念する声が上がった。市下地川満のサトウキビ畑で対策をしていた砂川佳弘さん(67)は「5月に台風は珍しい。知り合いの農家はすでにビニールハウスを片付けている」と話した。サトウキビは収穫を終え植え付けたばかりだとして、暴風が長期化すると「影響は大きくなる」と気をもんだ。

 伊良部島の佐良浜漁港では漁船を複数のロープで係留する様子が見られた。陸揚げされた漁船の塗装をしていた與座恵達さん(65)は普段はカツオの一本釣りに従事している。「海が荒れて26日から漁に出られていない。早く台風が過ぎないと、仕事にならない」と語った。
 (友寄開、照屋大哲)

台風2号の接近で、白波が立ち荒れる海=29日午後0時25分ごろ、石垣市八島町