琉球大工学部に「女子枠」導入 選抜試験で20人 「多様性の向上へ」


この記事を書いた人 琉球新報社

 琉球大学は本年度実施する工学部工学科の入学者選抜試験3コースに、計20人の女子枠を設ける。琉球大の選抜試験で女子枠が導入されるのは初めて。工学分野は男性技術者の数が多く、「男性特有の学部」というイメージが強いことから、女子学生が少ない傾向が続いている。女子枠を設けて積極的に女子学生を増やすことで、多様性や学習環境の向上などを目指す。

 理工系学部の女性の卒業生は全国的にも約7%と低い。琉球大工学部では2019~23年度、女子学生の比率は平均で11.4%だった。

 今回女子枠を導入したのは、工学部工学科の総合型選抜Ⅰと学校推薦型選抜Ⅱで、全7コースのうち「機械工学」「エネルギー環境工学」「社会基盤デザイン」の3コース。総合型選抜Ⅰでは全募集人員の約28%にあたる10人、学校推薦型選抜Ⅱでは全募集人員の約15%にあたる10人を募集する。選抜試験はこのほかに一般選抜がある。女性の受験者は一般枠、専門高校枠(学校推薦型選抜Ⅱのみ)での受験も可能。併願はできない。

 工学部副学部長の下里哲弘氏は「工学分野においては新たな発想アイデア、イノベーションなどが求められている。性別に偏らず、多様な視点での活発なグループディスカッションなどを授業に取り入れたい」と期待を語った。西田睦学長は「工学部の女子学生比率の低さは以前から指摘されていて、意識的に学生の多様性を向上していきたいと考えていた。今後は他の学部にも広げたい」と話した。
 (嘉数陽)