南方楽酒KAN初V オリオンスーパーベースボール


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低めに集める力投で勝利に貢献した南方楽酒KANのエース慶田城卓=14日、浦添市民球場

 第21回オリオンスーパーベースボール中央大会2015(ラジオ沖縄主催、琉球新報社共催、オリオンビール特別協賛)の決勝が14日、浦添市民球場で行われ、南方楽酒KANが5-1でトリプルベースを破って初優勝を果たした。南方楽酒KANは12月に奄美大島へ遠征し、現地チームとの親善試合に臨む。

◆エース慶田城、力投 3度目挑戦で悲願達成
 南方楽酒KANのエース慶田城卓は、「相手打線は勢いがあるので低めに投げることを心掛けた」と言う。最終の七回は鋭く落ちるスライダーと切れのあるツーシームを低めに集め、連続三振で試合を締めた。マウンドで歓喜の輪にのみ込まれ、「出来過ぎです」と笑顔を輝かせた。
 チームは過去2回、決勝まで駒を進めながら頂点に手が届かなかった。3度目の挑戦となった決勝戦でマウンドを託された慶田城は、「緊張もあったけど気負わず普通通り投げようと思った」。初回はテンポよく2アウトを取ると、左翼・安里直洋の好守備もあって三者凡退とした。女房役の喜屋武一道は、「調子は悪くない」とエースの勢いを感じ取った。
 四回に失策や死球が重なって1点を失うと、五回は先頭打者に安打を許した。流れが相手に傾きかけたが、後続を併殺に仕留めてピンチを切り抜けた。「先頭を出して悪い雰囲気だったので大きいゲッツーだった」と相手の流れを断ち切ったことに胸をなで下ろす。
 打線は二回に喜屋武の左越え三塁打で先制すると、五回に安里の右前打を足掛かりに3点を奪った。これまで負けが続いていた決勝で勝利を手にし、安里は「やっと優勝できた」と喜ぶ。奄美で開催される交流試合に向けて、安里は「チームのモットーである楽しむことを貫きます」と力を込めた。(平安太一)

◆頂点向け手応え 準優勝のトリプルベース
 トリプルベースは先行されても食らいつく粘り強さを見せたが、頂点には手が届かなかった。具志堅芳富監督は「1~2点差のゲームになると思っていた」と終盤に引き離されたことを悔やむ。それでも、「チームの雰囲気が良くて来年につながる試合だった」と手応えもあった様子だ。
 二回2死から連打を許して1点を先制されたが、四回に相手のミスを逃さず同点とした。具志堅監督は「野球は(打球を)転がせば何が起こるか分からない。転がす練習が結果につながった」と、しぶとく撃ち続けた打線をたたえる。終盤に離されたことには「投手を代えるタイミングが難しかった」と反省した。
 沖縄でトップに立つことを目標に活動を始め、指揮官は今大会の準優勝で「目指す場所は目の前まで来ている」と感じている。「もっとチームを盛り上げて来年は優勝を目指す」と決意を新たにした。