根元からボキッと折れ道ふさぎ、横倒しのサトウキビ、垂れた電線… 台風2号の爪痕 沖縄


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
強風で根元から折れ、道路の一部をふさいだ倒木=1日午前11時30分ごろ、石垣市平得

 大型の台風2号が沖縄地方に接近する中、宮古島や石垣島地方では1日、強風にさらされて住民のけがや農作物が倒れるといった被害があった。沖縄本島地方には同日夜遅くから翌2日の明け方にかけて最接近する見込みで、那覇市では公共交通の運行休止によって帰宅を急ぐ会社員が見られた。各地の公共施設でも早めに避難し災害に備える住民の姿が見られ、暴風域はなくなったものの、警戒を緩めずに過ぎ去るのを待った。

 【宮古・石垣】宮古、石垣島地方では暴風域に入った1日、宮古島市で強風によるけが人が出たほか、電線の破損などが確認された。石垣島は正午すぎに暴風警報が解除されたものの、海は大しけとなり石垣島と周辺離島を結ぶ船は前日に引き続き全便欠航となった。

 県宮古事務所によると、5月31日午後2時ごろ、市平良東仲宗根で強風にあおられた80代男性が転倒し、顔に擦過傷を負った。

破損し、歩道に垂れ下がった電線=1日午前7時50分ごろ、宮古島市平良西原の県道83号

 市平良東仲宗根の県道83号と松原の国道390号では、2カ所の倒木があり、いずれも根元から木が折れ、道路の一部をふさいだ。

 宮古島市役所に開設された避難所にいた男性(52)は「家が下地島の海岸近くにあるので、台風の影響が怖くてここに来た。今回の台風のスピードは遅いと聞いた。早く去ってほしい」と不安げな表情を浮かべた。

 一方、石垣市では店先や道路沿い畑地で、街路樹が揺れ、自転車や鉢植えが倒され、サトウキビも横倒しになった。市平得の県道211号では暴風で折れたとみられる木が片側1車線をふさいでいた。正午過ぎに暴風警報が解除されると、住宅や店舗前で散らかったごみなどを片付ける住民の姿も見られた。

 竹富町と暴風域に入らなかった与那国町では目立った被害はなかった。多良間村では一時100戸が停電したが、午前7時までに復旧した。
 (友寄開、照屋大哲)