FC琉球、沼津に3-0で完勝 白井、持ち味のスピードで独走


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琉球―沼津 前半35分、2点目のゴールを決める琉球の白井陽斗(左)=3日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(喜瀬守昭撮影)

 サッカー明治安田J3第12節第1日の3日、FC琉球は沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムでアスルクラロ沼津(静岡)と対戦し3―0で完勝した。通算成績は4勝6敗2分けで勝ち点14で15位に順位を上げた。前半は32分に野田隆之介が相手GKが前に出ているのを見てロングシュートを決め、3分後には白井陽斗がカウンターからドリブルで独走して2点目を挙げて優位に立った。さらに前半終了間際に野田が頭で決めて3―0で折り返した。後半は終盤につれて猛攻を受けたが、体を張った守備で守り抜き無失点で抑えた。次戦は11日、長野UスタジアムでAC長野パルセイロと対戦する。

 観客数は4300人超。勝利を信じて集まったサポーターに元気と勇気を与える3―0の勝利だった。元日本代表の中山雅史監督率いる沼津に、たくみなパス回しで何度も切り込まれ、ゴールを脅かされた。

 互いに主導権争いが続く前半32分、試合が動いた。GKからボールを受けた野田隆之介主将が相手GKが前に出ているのを見て、センターサークルすぐ外から瞬時にロングシュート。ボールはGKの頭上を越えゴールに吸い込まれた。

 さらにチームに勢いをつけたのは3分後、白井陽斗のカウンタードリブルだった。堅守の後、自陣ペナルティーエリアから攻撃に転じ、持ち味のスピードを生かして独走。たくみに2人をかわしてゴール左に流し込んで2点目。その後も武沢一翔のクロスを再び野田が押し込むなど、前半で3得点とFW陣が暴れた。

 野田主将は「自分の得点よりも0点で抑え切れたことの方がうれしい」「(個の力で打開した)最初の得点よりも、常に狙っていた2得点目の形が大事」と、あくまで組織的プレーの重要性を強調し「しっかり次につなげたい」と冷静だった。
 (大城三太)


(1)タピスタ

琉球 4勝2分け6敗(14)
3―0(3―0,0―0)
沼津 4勝4分け4敗(16)

▽得点者 【琉】 野田2(5)白井(1)
▽観客 4339人

 【評】琉球はFW2人が個の力で2得点を奪い、優位に立った。沼津はパス回しがたくみで後半は猛攻を仕掛けるが、3点リードの琉球は心理的安心感と優位性は大きく、体を張って最後までゴールを守り抜いた。琉球は足をつる選手が続出するほど激しい運動量でピッチを駆けた。

 

選手の距離感よく

 喜名哲裕監督(琉球)の話 FW陣を含めて連動したプレスをかけようと伝えていた。選手同士の距離感もよく、うまくできていていた。DFラインをコンパクトに保って戦えた。いい守備からいい攻撃へとつなぐことができた。子どもたちの声援が力になった。

向上へ結果生かす

 中山雅史監督(沼津)の話 前半で3失点は初めての経験で悔しい敗戦。結果を受け止めたい。後半に一つでもゴールが生まれれば勢いもついたかなと思う。ちょっとの差が積み重なって結果に表れた。自分たちが向上していくためにこの結果を生かしていきたい。