宜野座で生き生き、移住生活 司法書士事務所を開設 「気軽に立ち寄れるインフラに」 京都出身の藤井さん


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
宜野座村に開業したハル司法書士事務所の藤井遥香さん

 【宜野座】宜野座村に今年2月、司法書士の藤井遥香さん(33)が営む「ハル司法書士事務所」が開業した。

 藤井さんは今年1月に志を抱き、宜野座村に移住した。京都出身で、龍谷大学で政治学を学んだ。就職した財団法人の在職中に父親が他界。墓参りで父をしのぶ度、墓地での仕事に興味を持ち、石材会社に転職した。墓石の施工、解体や、寺社仏閣の修復工事など、圧倒的に男性が多い肉体労働の世界で、現場仕事をしていたという。

 そんな折、祖父が他界、藤井さんが相続人となったために親族間で起きたトラブルがきっかけで司法書士を志す。通信教育で学び、3回目の受験で合格、京都の司法書士事務所で実務経験を積んだ。中学時代の沖縄での修学旅行後、沖縄戦など沖縄の歴史に関心を持ち、生涯、沖縄のことを学びたいという思いが心に残っていた。本島北部東海岸側は、商業に偏りすぎない住民を主体にした地域づくりの可能性があると感じ、地域に根差して尽くしたいと、親戚も知人もいない沖縄への移住を実行した。

 司法書士業務では、土地や建物の贈与、相続の相談が最も多い。身寄りのいない方などの成年後見業務にも取り組みたいと意気込む。ラジオ沖縄の「暁でーびる」で「うちなーぐち」にも親しむ。「例えるなら、コンビニやガソリンスタンドのように生活に必要で、気軽に立ち寄れるインフラの一つになりたい」と言う語り口に盤石な覚悟と揺るぎない信念が、ひしひしと伝わった。(池辺賢児通信員)