陸自ヘリ事故同型機、訓練飛行を月内にも再開 自治体に説明へ 玉城知事「検証と再発防止を」


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陸上自衛隊のUH60JAヘリコプター(同隊HPから)

 4月に宮古島市で発生した陸上自衛隊UH60JA多用途ヘリコプター事故を巡り、陸自は停止していた同型機約40機の訓練飛行を6月中にも再開する方針で調整していることが5日分かった。これまでも任務のための飛行は続けていた。今後、所属する施設の周辺自治体などへ再開の方針を説明する。UH60JAは那覇駐屯地に拠点を置く第15旅団にも複数機、配備されている。

 陸自は4月6日のヘリ事故を受け、同型機について災害派遣や急患搬送などの任務飛行は続けた一方、訓練飛行を見合わせていた。防衛省関係者によると、陸自で機体の点検や隊員への教育を続けてきたが、機体に構造的な異常は確認されず、訓練飛行を再開できると判断した。

 玉城デニー知事は5日、本紙の取材に「十分な事故調査の検証と再発防止に向けて厳格に対応をお願いしたい。国民に説明して納得いく形で努力してほしい」と語った。
 UH60JAは全国で約40機だが、各基地個別の機数は公表されていない。多用途ヘリで、空からの偵察や輸送に使用されている。

 陸自幹部ら10人を乗せたUH60JAは4月6日、航空自衛隊宮古島分屯基地を離陸して10分後にレーダーから消失した。陸自は事故と判断して原因などの調査を進めている。海から6人を引き上げて死亡を確認した。見つかっていない4人についても捜索や機体の状況などから死亡と判断した。陸自の航空機事故で最大規模。(明真南斗、沖田有吾)