基地問題、若い世代ほど「諦め」漂う 18~34歳の55%「反対運動無意味」に賛同 明星大・熊本教授県民調査


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 明星大の熊本博之教授らがこのほどまとめた「政治参加と沖縄に関する世論調査」では、若い世代ほど基地問題への「諦め」が漂っているとの結果が出た。「国防政策は政府に決定権があるので基地反対運動は無意味」との設問で18~34歳の55%が賛同した。対照的に65歳以上は否定的見解の「あまりそう思わない」「そう思わない」が59%と半数を超える。

 「沖縄に米軍基地が集中しているのは不平等」との設問に「そう思う」「ややそう思う」と賛同したのは65歳以上の世代は82%だったが、18~34歳では54%にとどまった。普天間飛行場の名護市辺野古への新基地建設計画については「建設が止まる可能性は低いので、やむを得ない」と49歳以下の世代でそれぞれ4~5割が賛同した。

 研究グループの一員で、長年新基地建設問題で揺れる辺野古区の調査を続ける熊本教授は、若い世代ほど基地問題への諦め感が強いと指摘する。

 熊本教授は「辺野古移設は『国防は国の専権事項』という論理の下に進められる。若い世代には反対運動をやっても無駄だとの感覚が与えられ、基地負担の不平等を『諦め』として受け入れさせている。もし基地反対運動がなくなると基地問題は一気に進んでしまう」と警戒感を示した。

 熊本教授は「諦めている人が悪いのではなくて、諦めさせる構造自体が問題だ。沖縄の自治を侵害している政府の手法に問題があることに気付いてほしい」と訴えた。
 (梅田正覚)