高校生アーティスト稲嶺さん カフェ「ミライテラス」が支援 パッケージデザインが好評、利益を還元


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自らデザインしたコーヒー豆の商品とTシャツを持つ稲嶺瑠琳さん(左から2人目)と金城翔吾店長(左端)、東邦英オーナー(右端)=5月30日、名護市我部祖河のミライテラス

 【名護】スプレーアートによる壁画など多彩な作品で活躍する、名護市の高校生アーティスト稲嶺瑠琳(るり)さん(17)=八洲学園大学国際高校3年=がパッケージをデザインしたコーヒー豆が好評だ。コーヒー豆を企画・販売する名護市我部祖河のカフェ「ミライテラス」(東(あずま)邦英オーナー)はアート活動の費用として、売上金の一部を稲嶺さんに還元する取り組みを始めた。きっかけは個展開催のために稲嶺さんが呼び掛けたクラウドファンディング(CF)だった。

 稲嶺さんは昨年、インターネット上で出資を募り念願の個展を開いた。そのリターン(返礼)として事前に決めていたのが、商品のデザインだった。

 ミライテラスの金城翔吾店長(36)は活動を知り、個展に出資した見返りとして、コーヒー豆のパッケージにデザインをしてもらうことになった。3月に発売すると、売り上げは従来品の2割ほど増加。金城店長らは、事前の契約にはなかった支援金を贈ることを決めた。5月30日、初回の3~5月分として1万5千円分の商品券を手渡した。

 パッケージになったのはヤンバルクイナが羽を広げたデザイン。金城店長は「やんばるの魅力を広める、というコンセプトにぴったりの作品が送られてきて驚いた」と話す。

 稲嶺さんは紙とペンとiPadを使い計12時間ほどで描いたといい「金城さんとの共同作品だと思っている。これからも新しいジャンルに挑戦していきたい」と笑った。カフェオーナーの東さんは「稲嶺さんが学生であるうちは、この形の支援を続けていきたい」と話した。

 コーヒー豆は150グラム750円など。ミライテラスのほか道の駅許田、ナゴグローサリーストア(名護市営市場内)、今帰仁の駅そ~れで販売している。