「組織にセクハラもみ消された」 空自那覇基地で被害 女性自衛官、初弁論で訴え


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 航空自衛隊那覇基地でセクハラ被害を受けたと訴えたのに、適切な対応がされず精神的苦痛を受けたなどとして、女性自衛官が国に約1168万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が8日、東京地裁であり、女性は「組織によってセクハラ告発をもみ消された」と意見陳述した。女性側代理人によると、国側は請求棄却を求めた。

 訴状によると、女性は2010年に那覇基地に配属後、2年余りにわたって、先輩の男性隊員から「(交際相手と)やりまくって業務をおろそかにするんじゃねえよ」といった性的発言を繰り返されたなどとしている。

 この日、スーツ姿で法廷に立ち「組織が監督を怠ることなく、加害者に謝罪させ、処置を適切に行っていれば問題は解決していたはずだ」と批判。後輩の隊員から、セクハラの相談が多数寄せられていると明かし「これ以上ひどい目に遭わせないためにも、私の被害をなかったものにはできない」と声を震わせた。

 女性は2月の提訴時、処分を受けるのを懸念して弁護団が開いた記者会見を欠席したが、今回は上司に届け出た上で閉廷後の会見に参加。「階級社会で弱者がターゲットになり、セクハラをしても国や組織に守られるという考えに終止符を打ちたい」と話した。

 訴訟では13年に被害を申告した後、全隊員を対象とした「セクハラ教育」で実名がさらされるなど、不適切な対応を受けたとも主張している。
(共同通信)