小3生、畑で育てた島バナナ、級友にプレゼント 次なる夢は「全校生徒に」 沖縄・宜野座小


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 【宜野座】宜野座小学校3年1組のロージャー・ダコタ・アーサーさん(惣慶区在住)がこのほど、宜野座村松田区にある体験型農場「ピースフル・ファーム」での農業体験を通じて収穫した島バナナを、級友らに贈った。級友へのプレゼントは夢だったという。アーサーさんの学級では、熟する前の青いバナナを初めて見た児童も多かった。

 バナナを収穫した畑は、上江田武信さん(うるま市出身)が管理する。上江田さんもあいさつし「昔の沖縄は、バナナは高級品で、バナナを思いっきり食べることが夢だった」と幼少期を懐古した。

 アーサーさんは3年前に母親と一緒に沖縄に移住した。「自然派」志向の共通の知人を通じ、家族ぐるみで上江田さんと交流するようになった。父親と一緒に、上江田さんの農園での体験を通して、農業の面白さを学んだ。

 今年4月から宜野座小に編入すると、いつしか「クラスのみんなに育てたバナナを食べてほしい」と夢を描いた。

育てたバナナをクラスメイトに贈呈するロージャー・ダコタ・アーサーさん(前列左端)と、ピースフル・ファームの上江田武信さん(同左から5人目)ら=宜野座村

 農園では幅広い年代の農業体験者とも交流する。貴重な沖縄の歴史も学ぶ。アーサーさんは、次は学校のみんなにバナナを贈りたいと、新たな夢に向かう。上江田さんも「畑で作物が生育する変化を観察することで感性が培われ、多様性への理解を育める。人間性も高まる」とアーサーさんの成長に期待を寄せる。

 担任の大城優奈教諭は「バナナが熟する過程を児童と観察したい。上江田さんの農園を皆で見学に行きたい」と話した。

 農園への問い合わせは、電話080(5048)4029(上江田さん)。

(池辺賢児通信員)