「難病の子と家族」思う建築に触れて学ぶ IDA学生、日本建築士会大賞のホテルを訪問 沖縄・恩納村


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ホテル内を見学する学生ら=5日、恩納村のホテル「青と碧と白と沖縄」

 【恩納】学校法人KBC学園専修学校インターナショナルデザインアカデミー(IDA)の建築デザイン科の学生38人が5日、恩納村真栄田にあるホテル「青と碧と白と沖縄」を訪ね、施主の希望を設計に反映する過程など建設の経緯を学んだ。同ホテルのコンセプトは「難病を患う子どもとその家族、心に痛みを抱える人の一時的な休息の場」とし、建築家中村拓志さんが設計した。2022年日本建築士会建築作品大賞・優秀賞を受賞した。

 施主の公益社団法人「難病の子どもとその家族へ夢を」の大住力さん(57)がホテルを建築するに至った思いなどを語った。1階に日が差し込む円上のホールがあり、ホールに沿うように客室が並ぶ。大住さんの「病気を患う人も、そうでない人も触れ合い、助け合えるように」という思いでデザインされたという。

 2階には真栄田岬を眺められる庭がある。大住さんの「車いすの人が一人でなんとかするのではなく、健常者の人も進んで助け合うようになってほしい」との思いから、あえてエレベーターを設置していない。代わりに段差が低く、幅が広い階段を設けるなどして、助け合いへのきっかけの場としている。

 IDA1年の渡慶次珠莉さん(18)は「病気の人や健常者も一緒に活用できる場所という発想は自分になかった」、1年の佐藤大空(りく)さん(18)は「中村さんの設計を超えるようなものを自分も作りたい」とそれぞれ感心していた。
 (金城大樹)