【嘉手納】米軍が嘉手納基地内にある元駐機場「パパループ」に防錆(ぼうせい)整備格納庫を建設する計画について、嘉手納町の當山宏町長は13日、計画の見直しを求めない考えを示した。當山町長は計画を「容認しない」としつつも、「懸念していた施設計画の安全性を政府が米側から確認した」とし、一定の理解を示した。反対姿勢からの転換で、一部町議からは「事実上の容認だ」との声が上がった。
町議会6月定例会一般質問で、金城利幸氏に答えた。4月に防衛省と外務省から計画の説明を受けて以降、當山町長が公に町の方針を述べたのは初めて。今後は住民の不安を払拭するために万全な措置を講じるよう、日米両政府に要請していく考えという。
當山町長は「本事案解決のために大臣まで動き米側と協議を重ね、施設の必要性や安全性、地元への影響などを確認した上で一つの結論に至った」と理解を示した。
町は当初、建設予定地が住民居住地に近いことから予定地変更を求めていたが、日米協議の結果、計画通りパパループに建設されることになった。4月に説明を受けた際、當山町長は報道陣に「(パパループを)唯一の建設場所とすることは容認できない」と反対の姿勢を示していた。
計画の見直しを求めない姿勢に転換したことについて、當山町長は報道陣に対し、政府とのやりとりの中で格納庫が当初の予想よりも小規模な作業を行う施設であることや、米軍が騒音や環境などへの措置を十分に講じることを確認したためと答えた。行政として町民大会開催や訪米して直接要請行動することはないとした。
(石井恵理菜)