琉球新報社 
米軍が嘉手納基地内の元駐機場「パパループ」に防錆（ぼうせい）整備格納庫を建設する計画を巡って、嘉手納町の當山宏町長は、日米両政府に対し計画の見直しを求めない方針を示した。閣僚を巻き込んだ日米交渉にも関わらず、米側が町の要望を拒否した結果を受け、町は建設後の施設運用を見据えて安全措置を求めていくことに要求を転換させた形だ。
當山町長は当初は計画を「容認できない」と反対していたが、米軍の運用に日本の権限が及ばない中で「反対しても計画は進む」（町長）と判断。住民生活に影響がないよう求めることを町の最優先事項と位置付け、今後は安全措置を万全に講じるよう日米両政府に要請することに注力する方向だ。
一方、一部町議からは「事実上容認した」と批判の声も上がる。米軍が説明している運用上の安全措置のほか、騒音や悪臭など周辺環境への影響軽減が確実に取られるのか。町民の不安払拭のためにも、米側に安全措置を求めていくとする町長の手腕も問われる。
（石井恵理菜）
