【糸満】15日午前5時ごろ、沖縄に糸満ハーレーの季節到来を告げる鉦(かね)打ちが糸満市糸満の山巓毛(さんてぃんもう)であった。
コロナ禍のため昨年まで3年連続で中止となっていた糸満ハーレーは、旧暦5月4日(ユッカヌヒー)の6月21日、4年ぶりに催される。
待望のハーレー開催を祝うように、カーンという高らかな鉦の音が、海人(うみんちゅ)の町の夜明けに響いた。
鉦打ちは旧暦4月27日に行われ、ハーレー鉦が鳴ると梅雨が明けるともいわれる。市内は前日から大雨警報が発令されるなど荒天だったが、鉦打ちの時間には雨がやみ、市民約20人が集まった。
東恩納博糸満ハーレー行事委員長(68)は、御願バーレーに参加する西村、中村、新島の3村のうち、緑色の中村のハーレーギン(衣装)をまとって鉦打ちに臨んだ。海への感謝と無事故大漁、市の発展を願い、東西南北に向かって5回ずつ鉦を打ち鳴らした。
東恩納委員長は「ハーレー行事は旧暦文化を大切にする糸満市民の伝統だ。3年間、中止になり悔しかった。来年こそはと強く念じたかいあり、開催できる。鉦の音もうれしそうだった」と笑みをこぼした。「若者が勢い付いて練習している。3年間のうっせきを発散するよう、本番も思い切りこいでほしい」と話した。
糸満ハーレーは、糸満漁港中地区で21日午前9時15分から開会式、同10時の御願バーリーを皮切りに開催される。
(岩切美穂)