イバラエイの赤ちゃん公開 沖縄美ら海水族館 世界初、繁殖に成功


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世界で初めて飼育下での繁殖に成功した「イバラエイ」の幼魚(海洋博公園・沖縄美ら海水族館提供)

 沖縄美ら海水族館は15日、熱帯域に生息し、国内では八重山諸島や小笠原諸島に分布している「イバラエイ」の幼魚の公開を開始した。赤ちゃんエイは昨年9月に水族館で生まれたメスの個体で、イバラエイの飼育下での繁殖に成功したのは世界で初めて。

 イバラエイは体表が小さなとげで覆われていることから、その名が付けられた。皮は「梅花皮(かいらぎ)」と呼ばれ、加工されて刀の持ち手部分に利用されていたとされる。飼育例が非常に少なく、繁殖に関する知見がない種だという。

 同水族館では2021年5月26日に交尾が確認され、22年9月18日に赤ちゃんエイが生まれた。生息地の八重山周辺よりも、沖縄本島の水温が低いため、温度調整や栄養管理をしながら飼育を進めてきた。現在の体の幅は78センチで、気温などが安定してきた生後8カ月で一般公開となった。順調に育てば7~8年で120センチ程度に成長するとみられる。

 赤ちゃんエイは、水族館内の「黒潮探検(水上観覧コース)」で見学することができる。(池田哲平)