レスリングの世界選手権(9月・ベオグラード)代表選考会を兼ねた明治杯全日本選抜選手権第3日は17日、東京体育館で行われ、決勝に臨んだ男子グレコローマンスタイル77キロ級の屋比久翔平(ALSOK)と同97キロ級の仲里優力(北部農林高―日体大出―佐賀県スポーツ協会)はともに敗れ、優勝を逃した。男子グレコローマンスタイル77キロ級の友寄汰志(北部農林高―日本体育大)は敗者復活戦に臨み、3位入賞を果たした。女子53キロ級決勝は19歳の藤波朱理(日体大)が制し、世界選手権代表に決まった。昨年12月の全日本選手権に続く優勝で、代表入りの条件を満たした。公式戦の連勝は122に伸びた。
グレコローマン77キロ級2位に終わった屋比久翔平からは、落胆の思いがひしひしと伝わった。世界選手権の出場切符を懸けた大事な一戦だった。「代表決定プレーオフの結果次第では、可能性はないわけではない」としつつ、自分を奮い立たせるように言葉を絞った。
決勝は2―3で競り負けた。決勝進出を決めた後のコメントでは「前に出られず、攻めきれない。目指すレスリングにほど遠い」と迷いが見え隠れしていた。「前に出て攻め続けるというスタイルは高校のインターハイから貫いていることで、これからも変わらない」と確固たる思いをたぎらせる。ただ「自分しか持っていない、いい部分を生かし切れなかった」と不完全燃焼だった。
「東京五輪の自分と比べて5割も力を出し切れていない」と復調を目指し、前を向く。
(大城三太)