琉球菓子や和・洋菓子を製造する末廣製菓の2代目・下地玄旬さん(69)は、創業72年を迎えた老舗菓子店をきょうだい3人で協力しながら切り盛りしています。下地さんは高校卒業後、夜間の大学に通いながら、見習いで菓子職人としてのキャリアをスタート。手先の器用さと研究熱心な性格でメキメキと腕を上げていきました。工場の1階にある店舗では、お祝いの時などに欠かせない琉球菓子「松風」をとても小さく作った「ちびまちかじ」など、下地さんのアイデアあふれる商品が並んでいて、県内外のお客さんから人気を集めています。(2023年02月12日付 りゅうPON!掲載)
協力・末廣製菓
文と写真 大城直也
【時間との勝負】
再度、オーブンに入れた生地を取り出して1個1個丁寧に結んでいきます。冷めたら硬くなってしまうので「時間との勝負」と手際良く作業する下地玄旬さん=那覇市松尾の末廣製菓
【慎重にカット】
焼き上がった生地を定規の幅に合わせて包丁でカットします。「1枚、1枚丁寧に」とテキパキと切ります。
【最適の生地を】
これまでに培った経験や技術を生かして「ちびまちかじに合った生地」に仕上げていきます。
【おいしくなーれ】
ちびまちかじの材料は砂糖や卵、食紅など。薄力粉はだまにならないように、ふるいを使って丁寧にこしていきます。「おいしくなーれ」と気持ちも込めます。
【菓子の型】
さまざまな種類の型があり、ちんすこうやコーグヮーシ作りなどで使われます。
【焼き上げる】
約55年間使っているオーブンを使用します。途中、鉄板の向きを変えるなどしてムラなく焼き上げます
【年末のムーチー】
昨年末のムーチー作りでは正月用の鏡餅作りと重なって大忙しでした。職人総出で取り組んでいました。
【おいしさそのまま】
お客さんの依頼を受けて作り始めた「ちびまちかじ」(右側)。材料や配合、焼き方などの研究を繰り返して完成させました。左は通常の大きさの「松風」です。
【洋菓子も人気】
末廣製菓は洋菓子も人気。お客さんの笑顔を想像しながら、誕生ケーキのプレートにメッセージを入れていきます