慰霊の日、摩文仁の警備厳重に 4年ぶり通常開催の追悼式に要人約40人が参加 首相襲撃事件受けて来場者チェックを厳格化


この記事を書いた人 琉球新報社
昨年の戦没者追悼式で公園内の警備に当たる大勢の警察官たち=2022年6月23日、糸満市摩文仁の平和祈念公園(小川昌宏撮影)

 23日の慰霊の日に糸満市の平和祈念公園で開かれる沖縄全戦没者追悼式は、新型コロナウイルスの規制緩和に伴い、4年ぶりに通常開催となる。要人に加え、多くの一般参列者の来場も見込まれる中、4月に岸田文雄首相の襲撃事件などもあり、主催する県や要人警護を担う県警は警戒感を強めている。来場者へのセキュリティー検査を厳格化する予定で、県の担当者は「安全で静謐な式典になるように協力をお願いしたい」と呼びかけている。

 追悼式は過去3年、新型コロナの影響で規模を縮小して開催した。参列者数は2020年は161人、21年は36人、22年は340人だった。

 コロナ禍前は会場外の立ち見も含めて5千人規模で開催してきたが、県の担当者は「(今年は)どの程度の規模になるかは見通せない」と語る。今年は参列者の制限を解除し、3500席を用意する。

 昨年7月、安倍晋三元首相が襲撃され死亡。4月には岸田首相が狙われた。式典には岸田首相をはじめ、要人約40人が特別招待されており、県や県警は神経をとがらせる。

 県警は県に対し、セキュリティーチェックや手荷物検査の強化を強く要請。県は例年よりも式典会場入り口などに配置する職員を増やし、県警と連携しながら例年よりも来場者へのチェックを厳格にする方針だ。

 県警は現場に配置する警察官に対して、来園者への声かけや持ち物検査などの実施も指示しており「スムーズなセキュリティーチェックのため、あらかじめ手荷物を最小限にして来園してほしい」と協力を呼びかけている。
 (大嶺雅俊)