「ゼロマラリア賞」に八重山・達成の碑期成会 歴史、後世に 県内3例目の受賞


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長島美紀さん(右)からゼロマラリア賞の表彰状が贈られた仲原清正会長=20日、石垣市桃里の伊野田農村公園内

 【石垣】マラリア制圧に取り組む個人や団体を表彰するゼロマラリア賞に、沖縄県石垣市の「八重山ゼロマラリア達成の碑建立期成会」(仲原清正会長)が選ばれた。碑建立や歴史継承活動の取り組みが評価された。20日、市桃里(とうざと)の伊野田農村公園内の碑前で受賞式が開かれ、同賞を主催する認定NPO法人マラリア・ノーモア・ジャパンの担当者が仲原会長に表彰状を手渡した。

 賞は2014年から始まり今年で10回目。県内での受賞は期成会で3例目となった。期成会は八重山からマラリアが一掃された1962年から60年の節目となった昨年、マラリアの歴史を後世に伝えるために碑を建立した。

 マラリア・ノーモア・ジャパンの長島美紀理事が神余(しんよ)隆博理事長のあいさつ文を代読し、「八重山で成し遂げられた(ゼロマラリアの)偉業を次世代に継承し、感染症のない平和を願って行われる住民衛生活動の意義は極めて大きい。今回の選考でこの点を高く評価した」と述べ、期成会の取り組みをたたえた。

 仲原会長は「受賞はうれしく、誇らしい。今後も八重山諸島のゼロマラリアに至る歴史を後世に伝え、感染症のない平和な世界がいかに大切かを世界へ発信していきたい」と語った。

 石垣市出身で民謡唄者の大工哲弘さんが三線を手に「マラリア撲滅の歌」を歌い、参加者はマラリア撲滅の歴史に思いをはせ、感染症のない世界の実現を願った。

(照屋大哲)