【動画あり】県内各地でハーリー 4年ぶりの本格開催に港町活気づく


この記事を書いた人 琉球新報社
糸満ハーレーの最終種目「アガイスーブ」を制し、喜ぶ新島のこぎ手たち=21日午後3時14分、糸満市の糸満漁港(小川昌宏撮影)
奥武島海神祭の本バーリーの競漕で勝利し、舟を担いで喜ぶこぎ手たち=21日午前10時37分、南城市玉城の奥武島(小川昌宏撮影)

 旧暦5月4日のユッカヌヒーに当たる21日、航海安全と豊漁を祈願するハーリーが糸満市、南城市、宮古島市、石垣市など各地で開かれた。過去3年、新型コロナの影響で開催見送りや規模縮小を余儀なくされたが、今年は4年ぶりに本格的に実施され熱戦を繰り広げた。

 糸満市の糸満漁港中地区で開かれた糸満ハーレー(同行事委員会主催)は、糸満独特のクンヌカセー(転覆競漕)や最も盛り上がるアガイスーブなどがあり、こぎ手たちが勇壮な櫂(かい)さばきを競い合った。

 南城市玉城の奥武島海神祭の見どころは、7番勝負で東(あがり)と西(いり)の勝敗を決める本バーリー。こぎ手が海上5メートルほどの橋から飛び込んで乗船する「流れ船」や、競漕中に船を転覆させる「クンケーラーシー」があった。

宮古島伊良部の海神祭の御願バーリーで懸命に櫂をこぐ参加者ら=21日午前、宮古島伊良部の佐良浜漁港

 宮古島市伊良部の佐良浜漁港で開かれた海神祭の御願バーリーでは、開始を知らせる旗が振り下ろされると、参加者が一斉に櫂をこぎ出し、歓声や拍手が上がった。伊良部漁業協同組合の伊良波宏紀組合長は「無事開くことができて感無量だ。子どもたちに伝統継承ができ、地元にも活気が出る」と語った。

 第117回石垣市爬竜船競漕大会(同実行委員会主催)は約120チームが参加。漁業者らによる本バーリーでは、中・西合同が総合13連覇を果たした。東1組、東2組、中・西合同のチームが「御願」「転覆」「上がり」の3種目を競う本バーリーは、転覆と上がりを制した中・西合同が総合優勝に輝いた。一番エークを務めた平良亘さん(32)は「人のにぎわいもあり、いいなと感じた」と日焼けした手で汗をぬぐった。
 (岩切美穂、上江洲仁美、友寄開、照屋大哲)

4年ぶりの開催で多くの人が詰めかけ盛り上がった石垣市爬竜船競漕大会=21日、石垣漁港