旧暦5月4日のユッカヌヒーに当たる21日、航海安全と豊漁を祈願するハーリーが糸満市、南城市、宮古島市、石垣市など各地で開かれた。過去3年、新型コロナの影響で開催見送りや規模縮小を余儀なくされたが、今年は4年ぶりに本格的に実施され熱戦を繰り広げた。
糸満市の糸満漁港中地区で開かれた糸満ハーレー(同行事委員会主催)は、糸満独特のクンヌカセー(転覆競漕)や最も盛り上がるアガイスーブなどがあり、こぎ手たちが勇壮な櫂(かい)さばきを競い合った。
南城市玉城の奥武島海神祭の見どころは、7番勝負で東(あがり)と西(いり)の勝敗を決める本バーリー。こぎ手が海上5メートルほどの橋から飛び込んで乗船する「流れ船」や、競漕中に船を転覆させる「クンケーラーシー」があった。
宮古島市伊良部の佐良浜漁港で開かれた海神祭の御願バーリーでは、開始を知らせる旗が振り下ろされると、参加者が一斉に櫂をこぎ出し、歓声や拍手が上がった。伊良部漁業協同組合の伊良波宏紀組合長は「無事開くことができて感無量だ。子どもたちに伝統継承ができ、地元にも活気が出る」と語った。
第117回石垣市爬竜船競漕大会(同実行委員会主催)は約120チームが参加。漁業者らによる本バーリーでは、中・西合同が総合13連覇を果たした。東1組、東2組、中・西合同のチームが「御願」「転覆」「上がり」の3種目を競う本バーリーは、転覆と上がりを制した中・西合同が総合優勝に輝いた。一番エークを務めた平良亘さん(32)は「人のにぎわいもあり、いいなと感じた」と日焼けした手で汗をぬぐった。
(岩切美穂、上江洲仁美、友寄開、照屋大哲)