PFAS対策、今後10年で80億円超が必要 県企業局が答弁 沖縄県議会代表質問


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沖縄県議会棟

 沖縄県議会6月定例会は21日、代表質問2日目の質疑を行い、県政与野党、中立会派の6氏が登壇した。市町村に水道・工業用水を供給する県企業局の松田了局長は、人体に有害とされる有機フッ素化合物(PFAS)の一種PFOSなどの対策費として、今後10年間で80億円以上が必要となると明らかにした。

 企業局は2016~22年度にPFOSなどの対策で約26億円を費やし、そのうち防衛省や厚生労働省などからの補助を省いた企業局負担は約12億円。

 県は県内の水道水からPFOSが検出されるのは米軍基地に起因する可能性があるとみており、松田局長は「引き続き対策費用は国が負担することを求めていく」と述べた。西銘純恵氏(共産)に答弁した。

 4月に宮古島市沖で発生した陸上自衛隊ヘリコプター事故を巡り、防衛省・自衛隊が同型機の飛行を再開する方針を示したことについて溜氏は「航空機関連事故は1歩間違えば県民の生命財産に関わる重大な事故につながりかねない」と指摘した。

 事故調査委員会の分析結果や飛行再開の必要性を関係者に丁寧に説明するよう求めた。國仲昌二氏(立憲おきなわ)への答弁。

 壺屋陶器事業協同組合が首里城正殿の龍頭棟飾(りゅうとうむなかざり)の復元に「主体的」に携わることを要望している件で、前川智宏土木建築部長は、県内で若手の人材を育成する観点を踏まえ「壺屋を含む県内技術者が主体として参加できる協働体制を検討している」と述べた。

 今後開催する首里城復興基金事業監修会議で、製作体制を決定すると説明した。仲宗根悟氏(おきなわ南風)に答弁した。

 松永享商工労働部長は、22年度に県が実施した調査で、県内の男性の育休取得率は34.9%で、前年度の18.5%と比べ16.4ポイント高くなっていると答えた。金城勉氏(公明)への答弁。

 沖縄の推計人口が復帰後初めて減少したことに金城敦企画部長は、人口減が続けば社会保障システムへの影響や経済活力の低下などが懸念されると指摘。

 県人口増加計画に当たる「ゆがふしまづくり計画」を改定するなど対策を強化する考えを示した。大城憲幸氏(無所属の会)への答弁。

 玉城デニー知事は、地域の平和構築に向け県独自の地域外交に取り組む理由として「沖縄県は住民を巻き込んだ苛烈な地上戦の経験や、戦後も軍事優先の中で、県民の基本的な権利が侵害されてきた。二度と沖縄を戦場にしてはならないという思いは、全ての沖縄県民の切実な思いだ」と述べた。瀬長美佐雄氏(共産)への答弁。
 (知念征尚まとめ)