【糸満】慰霊の日を前に、第28回糸満市平和祈念祭(糸満市主催)が17日、同市摩文仁の県平和祈念公園と県平和祈念資料館のホールで行われた。市民ら100人ほどが参加した。ホールでは「平和レクイエム朗読」があり、糸満市平和の語り部研修生の中高生3人が絵本「ひめゆり」を朗読し、戦争の恐ろしさと平和の尊さを伝えた。
朗読したのは、新里日彩さん=向陽高2年、賀数みりあさん=豊見城南高1年、照屋寧音さん=三和中3年。絵本朗読を通して、同年代の女子学生の悲惨な戦争体験を伝え、「ひめゆり学徒隊以外にも多くの生徒が戦場に動員された。糸満には多くの学徒隊の慰霊碑がある。この機会に見に行ってほしい」と呼びかけた。
平和の語り部研修生は、戦争体験の継承を目指す語り部育成事業に参加する中高生13人。受け付けや司会進行などを務めた。絵本を朗読した新里さんは「観客に平和の大切さを伝える役割なので、絵本に登場する学徒たちの気持ちを想像しながら読んだ」と話した。
舞台では空手奉納演武なども披露された。最後は平和の語り部研修生が「命の尊さ、命どぅ宝をいつまでも伝えていく」などとする「糸満市平和都市宣言」を読み上げた。
平和レクイエム朗読に先立ち、平和の礎の拭き清めもあり、あいにくの雨の中、参加者たちは礎を丁寧に拭いていた。
(岩崎みどり)