南部ごみ処分場、移転断念で住民説明会 見通しの甘さを問う声 沖縄・八重瀬町


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南部ごみ処分場計画の撤回について、八重瀬町民に経緯などを伝えた住民説明会=16日、八重瀬町中央公民館具志頭分館

 【八重瀬】南部広域行政組合(理事長・古謝景春南城市長)による南部ごみ処分場整備計画の白紙撤回で、同組合と八重瀬町は14、16の両日、同町民対象の住民説明会を開催した。計画撤回後、住民説明会は初めて。

 南部ごみ処分場計画では、養豚業者と地域の間で臭気の問題を長年抱える八重瀬町が、「地域課題の解決」として業者の移転を前提としたごみ処分場誘致を図った経緯がある。

 説明会では、組合側が計画断念に至った経緯を説明し、断念の理由として(1)移転に活用できる国・県の補助事業がない(2)移転先の環境影響評価に最短4年半を要する(3)既存の炉が老朽化しており早急な新炉整備が必要―の3点を挙げた。

 住民からは、予算見積もりや環境影響評価に関して「見通しが甘い」との指摘があった。臭気問題について「洗濯物も干せない」との声が上がった。「これで諦めるのではなく、新たな用地選定が難航した場合は再度、養豚業者の用地を提案してほしい」という意見に、新垣安弘町長は「業者移転に伴うさまざまな課題が残る」として、現状では厳しいとの考えを示した。
 (岩切美穂)