「魚、見つけた瞬間の興奮、たまらない」 伝統漁・ヒアガラサー3年ぶり 60センチ超の大物も 南恩納区


社会
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伝統漁「ヒアガラサー」で捕れた大量の魚をさばく南恩納区の区民ら=18日、恩納村

 【恩納】恩納村の南恩納区で18日、干潟内の魚を追い込む「ヒアガラサー(干上がる)」と呼ばれる伝統漁が区民によって3年ぶりに実施された。同区に面する遠浅の干潟「屋嘉田潟原」に漁師らが約1キロもの刺し網を仕掛け、潮が引いた正午前に子どもたちや親子連れが海に出て、魚を捕まえた。タマン(ハマフエフキ)やヤガラ、チヌなどが捕れ、中には60センチを超える大物も。捕れた魚も区民でさばいて調理し、懇親会で舌鼓を打った。

 ヒアガラサーは半農半漁の生活を送ってきた地元住民に伝わり、潮の満ち引きを利用して魚を捕る伝統漁。近年は社会の変化などで、漁法を体験することが少なくなってきたことから、2012年から同区の年間行事として毎年実施されてきた。潮の流れが穏やかな6月の大潮に行われるが、新型コロナの影響で21、22年は開催を見送っていた。

 参加した子どもたちは刺し網にかかった魚を捕ったり、干潟内の魚を追いかけたりして、楽しんでいた。恩納小6年の山内琉央さん(11)は「魚を見つけた瞬間の興奮がたまらない。たくさん捕りたい」と語り、久しぶりの漁を楽しんでいた。同区の仲嶺真樹区長は「久しぶりに多くの区民が顔を合わせ、地域イベントが開催することができてうれしい。懇親会も楽しみだ」と話した。
 (池田哲平)