平和交流深化で一致 済州財団理事長ら 知事と意見交わす


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玉城デニー知事(左から4人目)を訪ね、今後の交流などについて意見を交わした済州4・3平和財団の高喜範理事長(同3人目)ら=24日、県庁

 韓国・済州島の「済州4・3平和財団」の高喜範(コヒボム)理事長が24日、沖縄県庁に玉城デニー知事を訪ね、意見交換した。玉城知事と高理事長は今後、アジア太平洋の平和に向け、交流を深めていくことで一致した。県は地域外交に注力するため、2023年度から新たに地域外交室を設置しており、6月初めに済州島で開催された「済州フォーラム」に照屋義実副知事が出席したことをきっかけに、高理事長の今回の沖縄訪問が実現した。

 23日の沖縄全戦没者追悼式にも出席した高氏は、玉城知事の平和宣言について「地域外交を通じてアジアと連携し、平和を構築していくという思いに感動した。アジア太平洋の平和に向けて、知事の役割に期待したい」と話した。今後について「済州と沖縄は、古代から中世までの交流や、近現代の悲劇的な歴史を共有している。これからも深い交流をしたい。学術的なシンポジウムなどもしていきたい」と話した。

 玉城知事は「学べば学ぶほど4・3事件は沖縄と重なる部分があり、胸にこみ上げるものがある」と話した。沖縄の戦後の歩みと重なる部分があるとした上で「韓国、済州と沖縄の若い人たちが、互いの思いに触れながら交流する機会を増やしていきたい」と話した。

 済州4・3平和財団は08年に設立。済州島で1948年から54年ごろまでにかけて起こった、軍や警察などが島民を虐殺した4・3事件の歴史を記憶するために、平和公園や平和記念館の運営、管理や事件の追加真相調査、犠牲者の追悼事業などを担っている。 (沖田有吾)