沖縄のモノレール、なぜ2両→3両編成にする必要が?<ニュースはじめの一歩>


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習熟運転が始まった沖縄都市モノレールの3両化車両=19日午後0時28分、那覇市旭町

 Q: 沖縄都市モノレールはなぜ3両化するの?

 

 A: 沖縄都市モノレール(ゆいレール)は都心部の慢性的な交通渋滞解消などを目的に2003年、那覇空港駅―首里駅間で開通しました。19年には地域の要望を受け、浦添市のてだこ浦西駅まで区間を延長しました。開業20年の節目となる8月10日に3両化車両の運行を一部で開始します。

 3両化は、増え続ける乗客に対応する必要に迫られたことが背景にあります。開通初年度の03年度の利用者数は749万7788人でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大前の19年度には1975万6806人まで増えました。

 コロナ禍による行動制限で利用者数は一時落ち込みましたが、23年2月の1日平均乗客数は5万4658人とほぼコロナ前の状況に戻りました。国内外からの入域観光客数の回復も見込まれており、さらに需要が高まるとみられます。

 需要増の中、安定的に利用者を目的地まで運ぶという公共交通のサービスを守るため、ゆいレールは増便や運転間隔の短縮などで対応してきましたが、抜本的な解決策とはなっていません。

 車社会の沖縄では、移動手段の約9割を車が占め、市街地の慢性的な渋滞が問題です。近年では観光客の増加がレンタカー台数の急増につながり、交通事情の悪化や環境に与える負荷が深刻化しています。乗客数増加への対応と合わせ交通渋滞解消のためにも、3両化だけでなくゆいレールを中心とした公共交通を発展させる取り組みが求められています。