那覇が3人継投で零封、美里工に3-0 終盤満塁のピンチも「次はない」3年生の意地みせる<夏の甲子園2023・県大会>


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美里工―那覇 7回に登板して三者凡退に抑えてベンチに戻る那覇の2番手・与那嶺粋(左)=25日、北谷町のAgreスタジアム北谷(小川昌宏撮影)

 第105回全国高校野球選手権記念沖縄大会は第5日の25日から2回戦が始まり、Agreスタジアム北谷など3球場で8試合が行われた。2回戦から登場した県春季優勝の第1シード・ウェルネス沖縄は8―1で宮古総実・宮古工の連合チームに七回コールド勝ち、県春季4強の第4シード・西原は9―4で沖縄水産に勝った。興南は3―0で北山を、那覇は3―0で美里工をそれぞれ零封。糸満は4―3で宜野座に逆転勝ちし、球陽は5―2で首里に、北谷は7―1で久米島に、小禄は7―2で具志川商に勝利し、3回戦に駒を進めた。残る2回戦8試合は第6日の7月1日にコザしんきんスタジアムなど3球場で行われる。

中継 援護 チームで流れ守る

 那覇が3投手の継投で美里工を零封した。先発した主戦・長嶺瑛太が6回無失点と好投し、中継ぎの与那嶺粋は「いいバトンをもらった。流れを崩さないように投げたかった」と被安打2、3奪三振と役目を果たした。九回には池原光翼がマウンドに上がって試合を締めた。

 チームの援護もあって3点リードで迎えた八回、四死球と内野安打で2死満塁のピンチを迎えた。苦しい場面だったが、マウンドの与那嶺に焦りはなかった。3年最後の大会で「次はない」という気迫と「仲間が守ってくれる」という絶大な信頼もあって「目の前の打者に集中することができた」。三ゴロに打ち取り無失点で切り抜けた。

 今大会の1回戦では130キロ台の直球も投げられるようになった。2回戦でも直球で三振を取ってチームの勝利に貢献した。コロナ禍が明けて声出しが解禁された応援にも支えられ、与那嶺は「自分を進化させることができた」と感謝した。

 3回戦の相手は強豪の興南だ。与那嶺は「良いバトンをもらって、良いバトンをつなぎ勝っていきたい」と闘志を燃やした。
 (安里周悟)


美里工
000 000 000 |0
000 100 20×|3
那覇

(美)東、勝連―津波
(那)長嶺、与那嶺、池原―阪
▽二塁打 東、親川(以上美)、諸見里(那)

 ●那覇に敗れた美里工の仲眞由翔 打線は元々強くなくて、エンドランやスクイズで、確実に得点していくのが美里工の野球。好機を生かし切れず、安打数はほとんど変わらなかったが、悔しい結果となった。3年は全員が仲が良く、自慢の団結力で勝ち上がってきた。1・2年もその団結力を引き継いで、甲子園を目指してほしい。