沖縄県、コロナ拡大で専門家組織 高齢患者らのケアステも設置 八重山、医療フェーズ“5”に引き上げ


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沖縄県庁

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、沖縄県は26日までに、県にコロナ施策などを助言する専門家組織「タスクフォース」を設置したと発表した。また、病床確保数の基準となる医療フェーズについて、八重山地域のフェーズを4から5(いずれも確保病床26床)に引き上げると発表した。

 現在の医療フェーズは他に本島地域が5(同473床)、宮古地域は4(同26床)。

 タスクフォースの構成員は、県の新型コロナ感染症対策専門家会議の委員も務めた高山義浩医師(県立中部病院)、佐々木秀章医師(沖縄赤十字病院)、国吉秀樹氏(中部保健所所長)、田名毅医師(県医師会副会長)。同組織の助言を受けて新型コロナ患者ケアステーション(ケアステ)を設置したという。

 県などによると、高齢者が感染すると入院期間が長引く傾向があるほか、自宅や社会福祉施設への退院調整も難しくなり、重点医療機関などの病床稼働率を下げる一因となっていた。

 ケアステがこうした高齢者を受け入れることで、救急医療機関が心筋梗塞などの急性期患者や交通事故などの外傷患者に対応できる余力を確保する。

 県は夏の流行再拡大も想定し、新型インフルエンザ特別措置法の予算で設置した「入院待機ステーション」の施設を5類移行後も撤去せず、医療機関で入院の必要がないと判断されたものの、自宅療養が困難な高齢者の臨時宿泊施設に切り替えて運営していた。維持してきた同施設へのケアステの開設は、新型コロナの包括交付金対象となるため、国の予算で機動的に対応できたという。

 ただ、感染拡大が続けばケアステの許容量を超える恐れもあるため、玉城デニー知事は「医療や介護現場で県民の命を守るため奮闘している方に思いを寄せ、感染対策を継続してほしい」と県民に呼びかけた。
 (嘉陽拓也)