平和教育、コロナの影、色濃く 戦争体験者や外部講師が招けず 発達に応じた指導課題も 県教委調査


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 県教育委員会が公立小中学校を対象に例年調査している「平和教育に関する取組状況」の2022年度結果で、平和教育の課題を聞いた調査に対し、小中どちらも「新型コロナによる影響」が課題と回答した学校が多かった。

 感染防止のため、高齢の戦争体験者や外部講師を招いた集会などを実施できなかった。小学校で「発達の段階に応じた指導」も課題となっていて、各学校は体験者頼りにならない、子ども自身が平和継承の担い手になる教育の在り方を模索している。
 

 調査は、小学校が258校、中学校が138校回答した。回答率は100%。課題については記述式で回答を集め、県教委で項目を立てて分類し、集計した。

 小学校では「コロナによる影響」と「戦争体験者(語り部)の不在」がどちらも46校で最多だった。次いで「発達の段階に応じた指導」が31校で、低学年では「残酷な描写などへの配慮が必要」などの声が上がっている。中学校では「内容の工夫」が最多の30校、次いで「コロナによる影響」が23校だった。
(嘉数陽)