名護市庁舎、老朽化で建て替えの方針 築42年、日本建築学会賞の意匠建築 市の調査報告「保存求める声も」


この記事を書いた人 Avatar photo 與那嶺 松一郎
日本建築学会賞を受賞している名護市の市役所庁舎=27、名護市港

 【名護】名護市は27日までに、市役所の移転や現庁舎の建て替えを含む市庁舎更新の検討に入った。現庁舎は完成から42年が経過しており、老朽化に対応する。行政機能の集約や災害時への対応も視野に、本年度に基本方針を策定する。新庁舎建設となった場合の場所や時期は未定。

 市は6月、市庁舎と市民会館の2施設について「市庁舎等更新検討に関する基本方針」を委託する事業者を募集した。7月中に事業者を選定する予定。

 現庁舎は市港1丁目にあり、鉄骨鉄筋コンクリート造りの3階建てで1981年4月に完成した。象設計集団の斬新なデザインで、日本建築学会賞(作品)を受賞した。庁舎には56体のシーサーが設置されていたが、老朽化で2019年に全て撤去された。

 市が2020年度末に策定した公共施設等総合管理個別計画(10年間)によると、市庁舎は建て替えの方針が決まったが、2025年度末に中間見直しを行うこととなっている。

 市が昨年度にまとめた基礎調査は「市民サービスの低下など機能面や安全面で支障をきたしている」としたほか、職員と市民へのアンケート調査を実施し「有名建築物としての外観等の保存を求める意見もみられた」と報告している。
 (増田健太)