コロナ入院が800人超に これまでより早い受け入れペース 入院患者数が専用病床数を上回る状況に


この記事を書いた人 琉球新報社

 沖縄県で新型コロナウイルスの感染が急速に広がる影響で、県内病院のコロナ入院患者が800人を超え、病床使用率が100%を超える恐れがあることが27日、県などの取材で分かった。入院患者数は6月に入って加速度的に増加している。県は軽症や検査目的で救急受診をしないことや、自宅療養に備えた市販薬の準備を呼び掛けている。

 中等症以上の患者に対応するコロナ専用病床は、26日時点で、本島と離島の医療機関36カ所で525床確保している。

 沖縄県独自の入院情報共有システム「OCAS(オーキャス)」によると、36カ所の医療機関で一般病床のクラスター(感染者集団)も散発した結果、27日昼時点で専用病床数を超える約560人の入院患者がいる。病床使用率が連日100%を超えた昨年8月の流行第7波と同様の事態になる恐れがある。

 医療負荷軽減を目的に26日に開設した、高齢者などの軽症患者を受け入れる「新型コロナ感染者ケアステーション」も27日昼時点で9人を受け入れており、過去の流行と比べても受け入れペースが速いという。そのため、県は医療従事者の確保を急いでいる。

 6月は救急搬送件数が急増し、複数の医療機関で救急の制限も起きている。県の担当者は「医療だけで流行をしのぐのは難しい。県民個々の感染対策が必要になっている」と訴えた。
 (嘉陽拓也)