「大丈夫ですか」 畑で倒れた男性を中学生2人が救助 三つの勇気ある行動とは 沖縄


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感謝状を贈呈された生徒2人と、仲本貴宜野湾署長(左端)、鹿川義晃中城中校長(右端)=14日、中城中学校体育館

 【中城】宜野湾署は14日、畑にうつ伏せで倒れていた高齢男性を発見し、機転を利かせて救助につなげた中城中学校1年の生徒2人に、同校の全校朝会で感謝状を贈呈した。

 2人の生徒は5月24日、普段は通らない道をたまたま下校していたところ、畑で倒れている男性を発見した。「大丈夫ですか」と声をかけ、付近を歩いていた人に知らせ、通報を依頼した。

 一人はパトカーや救急車がすぐに気づくよう、畑から50メートルほど離れた路地まで走って「ここです」と手を上げて現場へ案内した。その間にもう一人は高齢男性に寄り添い、声かけするなどして救助に協力した。

 仲本貴署長は「一つ目に素通りすることなく気にかけ通報をお願いし、二つ目に倒れている人に声をかけ続け、三つ目に人目に付きにくい現場で機転を利かせ救急車両を案内した」と勇気ある行動と献身的な協力に感謝した。

 2人は「倒れているのを見つけた時は(亡くなっているのかと思って)怖かったけれど、すぐに助けようと思った。後で校長先生から助かったと聞いてほっとした」と振り返った。

 救助された男性は回復し、贈呈式を見守った。「普段通り畑に水やりをしてたら、急に倒れてね。手を差し伸べてくれたのがどこの誰かも分からず、後で中学生と聞いて感動したよ」と語った。2人に再会し「命拾いした。ありがとう」と笑顔で握手を交わした。
 (儀間由紀美通信員)