宮森の悲劇、漫画で伝えたい 事故の後遺症で亡くなった青年を主人公に 聞き取り着々と


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新垣晃さんとの思い出を語る同級生ら=26日、うるま市石川部落事務所

 【うるま】1959年6月30日に米軍ジェット機が宮森小学校に墜落した事故を漫画で語り継ぐための取り組みが進んでいる。漫画の主人公は、事故の後遺症で亡くなった新垣晃さん。NPO法人石川・宮森630会の久高政治会長や宮森小の現職教員らが26日、うるま市石川部落事務所で新垣さんが通っていた石川高校の同級生8人に聞き取りをした。

 新垣さんは事故当時、宮森小の2年生だった。事故で大やけどを負うも、その後は陸上の選手として活躍。しかし、やけどの後遺症で汗腺が機能せず、内臓を悪くし23歳で亡くなった。

 同級生の前田晃さん(71)は校内の陸上大会で競走した時「馬が走ってくるようだった」と活躍ぶりを語った。宇江城安博さん(72)は「夜にドライブに行きハンバーガーを食べた。好きな女の子の話もした。晃はませていた」と学生らしい一面も紹介した。

 久高会長は「体験者も高齢化している。子どもたちに分かりやすく伝えるために何かできないかと考えていた」と、漫画作成への思いを話した。聞き取りは別のメンバーで5月28日にも行った。漫画の完成時期は未定。
 (金盛文香)