【国頭】沖縄県の国頭村辺戸の海岸で5月に見つかった白い台形上の漂着物について、日本のH2Aロケットの部品であることが29日までに分かった。ロケットを製造した三菱重工業が27日、村へ連絡した。今後、同社を中心に回収作業を進める見込み。
見つかった部品はフェアリングと呼ばれる衛星の保護カバーで、ロケットの先端部分に取り付けられている。
村によると、漂着物の画像や位置関係などの情報を宇宙航空研究開発機構(JAXA)に提供したところ明らかになり、その後JAXAが三菱重工業に対し情報を共有したという。
漂着した場所からの部品の回収は人力で難しく、村は連絡を入れた三菱側に海上からの回収を提案したという。村によると、現在三菱側は国頭漁業協同組合と協議し、引き揚げに向けた調整を進めているという。
知花靖村長は「漂着物の身元が分かったのはいいことだ。被害もなく一安心だ」と語った。
部品は5月14日、ウミガメの保護・調査を続けている男性が発見した。19日には現地を調査した村職員が、同じ海岸で同形状の部品一点を新たに見つけた。村は6月に海岸線から離れた場所に部品を移動し、ロープで固定するなどの対策を取っていた。
(武井悠)