おきぎん経済研究所は29日、2022年度の沖縄県内賃料動向調査を発表した。3タイプに分類した賃貸物件の平均賃料は、新築物件で前年比0・3~2・5%上昇した。人手不足、資材高騰による建築コスト増加分が賃料に反映される傾向があるほか、着工戸数の減少で新築の希少性が増していることなどが上昇の背景にあるとみられる。中古物件もわずかに下落した3K~3LDKを除き、賃料が上昇した。調査は県内で賃貸物件を扱う不動産会社12社16店舗(管理戸数4万4118戸)を対象に実施。部屋タイプを(1)1R~1LDK(2)2K~2LDK(3)3K~3LDKの三つに分類して賃料水準や稼働状況を調べ主要地域の動向や賃料の相場観をまとめた。
平均賃料は新築で(1)の上昇幅が最も高く2・5%で(2)と(3)は0・3%だった。広いリビングのあるLDK物件や市街地開発地区の物件は人気が高い一方、建築費高騰を受け相場より高めに賃料が設定され、新築でも満室にできない事例があるとみられるという。中古物件の上昇幅は(1)が1・1%、(2)が0・5%、(3)がマイナス0・1%となった。
聞き取りによる賃貸物件の稼働率は県内平均が96・8%と高い水準にある。地域別は石垣市99・5%、宮古島市99%と離島地域で物件不足による稼働率の高さが際立つ。
築年数が経過すれば稼働率、家賃水準が低下するが、調査では10年目までは新築並みの水準が維持される傾向も浮かび上がった。新築物件が減少し「築2~5年の賃料水準が上昇傾向にあり、新築時より賃料を引き上げる動きもある」(同研究所)という。
(當山幸都)