地上からの操縦通信が途絶え、エンジンを非常停止 下地島空港沖の無人機「墜落」 試験飛行のPDエアロスペースが経緯を説明


この記事を書いた人 琉球新報社
試験飛行中の無人航空機が落ちた経緯について説明するPDエアロスペースの緒川修治代表=29日

 【宮古島】28日夕方に宮古島市の下地島空港の近海に試験飛行中の無人航空機が落ちた件で、試験飛行を実施したベンチャー企業「PDエアロスペース」が29日、報道向けにオンラインで説明会を開き、経緯を説明した。地上で操縦していたパイロットの操舵系の通信が途絶え、非常停止装置が作動してエンジンを停止し、機体が海に落ちたと説明。落ちた衝撃で機体はバラバラになったという。

 同社によると、落ちた地点は下地島空港の北側にある通称「17END(ワンセブンエンド)」から北北東約1.5キロの海上。29日までにバラバラになった機体を回収した。発生時、付近に漁船やマリンレジャー関係の船舶はいなかったという。

 機体は「PDAS―X06」で、28日午後6時11分に同空港を離陸し、約2分後に落ちた。全長は約4.9メートル、重さは約300キロ。離陸後、操舵系の通信が途絶え、自動操縦モードに切り替わるも、設定していた「飛行許可範囲境界線」を超えそうになったため、非常停止装置が発動しエンジンを停止した。

 PD社の緒川修治代表は「着陸するという目的に達しなかったことや、不安に感じさせてしまったことも真摯に受け止め、次につながる努力を続けていきたい」と話した。報道各社が「墜落」と表現していることに触れ、「意図的に機体を落としたので、墜落ではなく着水だ」と主張した。
 (友寄開)