名護から「宇宙旅行」を 宇宙関連ビジネス「ASTRAX」代表が可能性に言及 沖縄


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宇宙関連ビジネスを進める「ASTRAX」の山崎大地さん(左)と川上泰子さん=8日、名護市

 【名護】民間による宇宙旅行や宇宙関連ビジネスを手がける企業「ASTRAX」の代表で、国際宇宙ステーションの建設や運用に携わったTAICHI(本名・山崎大地)さんが8日、名護市で琉球新報の取材に応じ、同市での宇宙事業の可能性などについて語った。世界では民間企業によってさまざまな宇宙船が開発され、誰もが旅行で宇宙に行ける時代が来ていると強調。宇宙でのサービス展開を見据え、事業の準備を進める必要性について提言した。

 山崎さんは大学で宇宙工学などを学んだ後に、国内大手企業に入社、国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟「きぼう」の運用管制官として、開発や建設に従事した。2005年に独立し、本格的な宇宙関連ビジネスをスタート。「民間宇宙飛行士」の肩書で、自らも宇宙を目指しつつ、無重力体験事業などを展開している。

 山崎さんによると、世界各地で民間主導によるハード面の開発が進んでおり、気球型や、船舶から飛び立って手軽に宇宙旅行に行けるサービスなども出てきている。「日本は国が宇宙の事業をしていると捉えられ、自立ができていない。開発から、旅行をサポートするサービスへと目を向けて商用化することが必要ではないか」と提言した。

 その上で、沖縄本島北部には遊休化している伊江島空港があることなどから、名護市は宇宙旅行の出発地となる可能性に言及した。山崎さんは「例えば宇宙で飲めるビールの開発、CM撮影、結婚式など多くの産業に発展する可能性が広がっている」と述べ、宇宙への正しい理解を進めることの重要性を述べた。

 山崎さんは9日、名護中央公民館講座で「名護から宇宙へ!未来へ!宇宙旅行時代は始まっている!」との演題で講演。世界の最新の状況や、宇宙に対する誤った知識などを来場者に伝えた。

(池田哲平)