米軍、PCBの基地内残留認める 基地名は答えず「取り扱いや輸送、最小限に」


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米軍基地内でこん包されて保管されるPCBの資料写真(1998年撮影)

 【東京】ポリ塩化ビフェニール(PCB)廃棄物が在日米軍基地に残されている問題について、在日米軍司令部は30日、琉球新報の取材に対し、廃棄物の基地内残留を正式に認めた。どう処分するかとの質問に「基地内でのPCB廃棄物の保管を最小限に抑えるよう努めている」と回答した。本国に持ち帰るかどうかについては明確に答えなかったが「取り扱いや輸送、遅延を最小限に抑える」と答えた。

 基地内に残っている間は在日米軍の環境対策を定めた日本環境管理基準(JEGS)に沿って対応する考えを示した。どの基地に廃棄物が残っているのかも尋ねたが、回答はなかった。

 その上で「日本全国にある全ての施設で、環境に対する責任を真剣に受け止めている。環境省、外務省、防衛省と日常的に多くの問題に取り組んでいる」と強調した。

 高濃度PCB廃棄物について日本国内では本来の処分期限を過ぎている。民間業者の場合は違法状態に当たる。低濃度PCB廃棄物は2027年までに処分することが定められている。米軍の廃棄物には両方が含まれているとみられる。日本政府は米軍が処分できていない総量を把握できておらず、日米間で処分方法に関する協議が続いている。

(明真南斗)