沖縄、PCRに行列「昨年夏にタイムスリップしたみたい」 陽性率5割超の日も コロナ急増


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
検査を受けようと列に並ぶ人ら=1日午前、那覇市安里

 新型コロナウイルスの感染者が再び急増し、沖縄県那覇市内のPCR検査所では朝の時間帯などに行列ができ始めている。5類移行を境に検査は有料になり、検査数はいったん落ち着きつつあったが、次第に増加し陽性率も上昇している。入院患者は増え続け、医療も逼迫(ひっぱく)。感染の最大波が押し寄せていた昨夏のような光景が再び現れている。

 「沖縄PCR検査センター」を県内5カ所で運営するミタカトレード沖縄支社によると、ゴールデンウイークが明けて1週間あたりから検査数が増え始めた。6月後半には陽性者数は連日100人を超え、陽性率が5割を突破する日もある。

 通常のPCR検査費は5千円だが、感染急増を受け7月1日から抗原検査を含め2週間限定で千円にした。同日朝、那覇市内の店舗ではオープン前から数十人が列を作った。子どもと並んだ30代女性は「親にうつしたくないので、念のため受けに来た」と話した。

 同センターの担当者は直近の状況を「(第7波があった)昨年夏にタイムスリップしたようだ」と説明する。「受けたい人は潜在的にまだ多く、やはり値段はネックだと感じる。陽性率が高いので、この機会に社会活動の判断材料にしてほしい」と話した。

 新型コロナの感染などで入院している患者は1日時点で千人超。内訳は、コロナ患者を受け入れる重点医療機関などで約670人、それ以外の病院では約340人だ。各病院は6月に入ってから病床確保が難しい状態だが、新規感染者の増加は止まらないため、病院間の入院調整は日増しに困難になっている。

(當山幸都、嘉陽拓也)


【おすすめ記事】

▼<コロナかな?と思ったら>感染時や子ども受診のポイント

▼【コロナ最新ニュースまとめ】沖縄の急増の勢い、表で分かる

▼小児科パンク寸前 コロナに加え、子の感染症が流行

▼県立中部病院、夜間の小児救急を休止

▼受診まで3時間待ちにも「ここしか空いていなかった」