沖縄弁護士会、性的少数者への差別に反対する声明を発表 弁護士への殺害予告を「卑劣」と非難


この記事を書いた人 琉球新報社
沖縄弁護士会館

 トランスジェンダーと公表しLGBTなど性的少数者の問題に取り組む県外の弁護士が所属する事務所に、殺害予告メッセージが届いたことを受け、沖縄弁護士会(金城智誉会長)は3日までに、性的少数者へのあらゆる差別に反対する会長声明を発表した。声明では、メッセージが差別的発言で脅迫に当たるとして「性的少数者に対するヘイトクライムともいうべき卑劣なものである」と非難した。

 同会によると、6月3~5日、匿名の者から弁護士に対し「メッタ刺しにして殺害する」などと複数回、差別用語を含むメッセージが送付された。

 声明は、性的指向や性自認に関する自己決定や自己認識について「人格に密接に関連する基本的人権として尊重されなければならず、社会で暮らす全ての人はこれらの権利を当然に享受している」と強調。一方で近年、交流サイト(SNS)などでトランスジェンダーの権利を擁護すると、社会に性暴力が増加するような言動が後を絶たないとして「これらの言動はいずれも著しい論理の飛躍あるいは根拠のない懸念である」と指摘した。

 同会は2019年3月、性の多様性が尊重される社会を目指し、性的少数者のさらなる権利保障に努める「レインボー宣言」を発表した。声明文は「全ての性的少数者が個人として尊重される社会の実現に向け、活動を続けることを表明する」との決意で締めくくった。
 (金良孝矢)