【動画あり】ウクライナの人気バンドKAZKA来沖、沖縄から平和を 避難民らと音楽で癒やしの交流会 沖縄・南城


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「KAZKA」のオレクサンドラ・ザリツカさん(右端)とドミトロ・マズリャクさん(同2人目)の演奏に合わせて踊るウクライナ関係者ら=3日夜、南城市知念安座真のアガイティーダ(ジャン松元撮影)

 【南城】ウクライナの人気ポップスバンド「KAZKA(カズカ)」のメンバー2人が1日に来沖した。ロシアによる侵攻で日本に避難するウクライナの人々を元気づける目的で、日本各地を巡る。沖縄滞在中は、ひめゆりの塔を訪れる予定だ。沖縄に避難する人々を激励するため3日には南城市のアガイティーダで演奏会と交流会を開催した。

 沖縄を訪れたのは、ボーカルのオレクサンドラ・ザリツカさん(30)と、ウクライナの伝統楽器ソピルカ奏者のドミトロ・マズリャクさん(25)。78年前に激しい地上戦があり、反戦と平和へのメッセージを伝える場所として沖縄を選んだ。

 演奏会と交流会には4人のウクライナ避難民と近所に住む家族ら15人ほどが集まり、食事会の後に沖縄とウクライナの音楽を演奏した。ドミトロさんが三線を手に曲を演奏する場面もあり、音楽に合わせてみんなで踊るなど交流を楽しんだ。

 昨年4月に来沖したメドヴェデヴァ・ディアナさん(31)は「ウクライナで聞いていた曲ばかりで一緒に歌った。すごく幸せな気持ちになったけれど涙も出てきた。複雑な思いだ」と話した。現在は浦添市で日本語と英語を学んでおり、友人も増えたという。一方で、ウクライナ東部の故郷・ルハンシクには家族や友人が残っている。ロシアの侵攻を受けており「心配で毎日連絡している。戦争が終わったら祖国に帰りたい」とかみしめた。

 オレクサンドラさんは「沖縄とウクライナの音楽が合わさって、まるで一つの家族のようだった。沖縄に避難している人々はみんなウクライナを恋しがって、涙をこらえていた。今日の交流が心の癒やしになればうれしい」と話した。

 ウクライナでは現在、18歳以上の男性は戦闘要員として政府に認識されるため出国が難しい。カズカの日本滞在をサポートし、心理カウンセラーで構成する一般社団法人全国心理業連合会(浮世満理子代表)がウクライナ政府に申請し、今回の来日がかなった。カズカの2人は4日まで沖縄に滞在し、その後大阪、山梨、東京を訪れ、14日に日本を出国する。
 (上江洲仁美)

https://www.youtube.com/watch?v=/buoSmjTBJIU